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日本の暗号資産への規制は非常に厳しい 現状と背景を解説

日本の暗号資産に関する政府の考え方は諸外国に比べて厳しくなっています。

このままでは暗号資産後進国になってしまうと、危惧する意見が出始めています。

今回はその背景について解説していきます。

マネーロンダリング対策

暗号資産に限らず、金融全般の規制として共通しているのがいわゆる「AML/CFT」と呼ばれるマネロン・テロ資金供与防止対策です。

この対策を行っているのが、世界で絶大なる影響力を持っているFATFと呼ばれる国際組織です。

FATFはこれまでにも様々ルールのようなものを勧告という形で世界に向けて発信しています。

その中で、暗号資産に関わる最大のものが、「トラベルルール」と呼ばれるもので、取引所に対する勧告です。

その内容を簡単に説明すると「高額な暗号資産の送金が行われた場合は、送金側と受取側の顧客情報を明確にすること」ということです。

KYC(本人確認)が不要で取引できるのが暗号資産の特徴でもあるので、難しい要求であることは間違いないと言えます。

ちなみに、日本の取引所で口座開設する際はKYCが必須ですが、海外でKYCを行っている例はほとんどありません

海外の取引所が日本で事業を始めようとするとKYCを求められるので、日本進出の壁になっている一つの理由にもなっています。

金融庁のワーキング・グループにて

では日本ではどのような議論が行われているのでしょうか。

日本での暗号資産に関する審議は2009年から行われていますが、今年に入り「暗号資産に関する資金決済ワーキング・グループ」という審議会が発足され、10月13日に第一回目の審議会が開催されました。

その中で、議題に上がったものを抜粋して紹介します。

(引用元:https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/shikinkessai_wg/shiryou/20211111/siryou2-1.pdf

この中の暗号資産の項目はとても衝撃的な内容で、これが公表された時、Twitter上でも物議を醸していました。

わかりやすく説明すると、

海外のバイナンスのような取引所への送金、またメタマスクのようなウォレットへの送金について、何らかの制限が必要である。

ということになります。

これが実現すると、筆者の場合も海外で使用しているDeFiに規制がかかるだけなく、そもそもMETAMASKの送金などに規制がかかることになり、最早暗号資産の取引が出来なくなります。

つまり、多くの暗号資産ユーザーがその取引の道が断たれることになります。

日本は世界の中でも規制が非常に厳しい国の一つと言われています。

海外の取引所が日本の取引から撤退し、そもそも取引をしないのもこの理由によると推測できます。

もちろん、マネロンなどについて対策を検討するのは悪いことではありませんし、利用者保護の観点でも一定の評価は出来ると思います。

しかし、暗号資産の醍醐味はDecentralizedにあるので、政府が過度に介入し、規制を強めることはその性質上あまり好ましくないという意見も多くあります。

既に暗号資産関係のビジネスを行う有望な若手起業家は海外で事業を始めており、優秀な人材は日本から離れて行ってしまうと危惧されています。

今後、日本政府の議論がどのように進んでいくのか、良い方向に進むことを期待しながら注目していきたいと思います。

参考:仮想通貨の取引口座、1つだけはリスクがあり。それぞれ得意不得意があるのでいくつか開設しておきましょう。「コインチェック」「ビットバンク」「フォビジャパン」がお勧め。


hiro.s

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暗号資産、ブロックチェーン歴4年のライターです。趣味は登山で、谷川岳と北アルプスをこよなく愛しています。ブロックチェーンや暗号資産が当たり前のように利用される日が来るのを願っているクリプト信者です。

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