仮想通貨の進歩によりメタバースでのアイテムの売買が可能になりました。
これは、デジタル世界を取り扱う業界のみならず、わたしたち人類にとっての大きな一歩です。
この記事では、仮想通貨がメタバースで可能にしたことは何なのか、今後のメタバースと仮想通貨の関係性はどう予想されるのかについて解説していきます。
メタバースとは?
メタバースとは、オンラインに構築された3DCGの仮想空間のことを指します。
近年、Facebookの「Meta」への社名変更や、ディズニーのメタバース事業参入などのニュースでたびたび取り上げられていますが、その概念は1990年代から存在している歴史あるものです。
ゲームの世界やSF映画の世界もメタバースの一部と考えると容易にイメージできるでしょう。
仮想通貨がメタバースに参入した流れ
仮想通貨が実用化されるほどに注目され始めたのは2010年代からで、メタバースに比べて歴史が浅いです。
ブロックチェーンの技術を使うことで、中央銀行や公的機関が発行した法的裏付けのあるものではないが、通貨として機能を果たす価値のあるものとして一気にブームになりました。
国家や公的機関の支配を排除した仮想通貨は、全世界から多種多様な人間がアクセスできるメタバースの世界において非常に重宝されました。
こうして、メタバースの世界に仮想通貨が受け入れられることとなり、現在ではAxie Infinity(AXS)という時価総額1兆円を超えるメタバース関連の仮想通貨も誕生しています。
メタバースで仮想通貨が可能にしたこと
以前のメタバースは、デジタル上で仮想空間のアイテムを売買することはできませんでした。
しかし、仮想空間のアイテムに所有権を証明できるNFT の技術を使うことで、デジタル上でアイテムの売買が可能になりました。
そして、仮想空間でのアイテムの売買を促進させたのが仮想通貨だったというわけです。
実際、ブロックチェーン技術を使用したオンラインゲーム「The Sandbox」では、「Land」という仮想通貨で仮想空間の土地が高額で売買されています。
仮想通貨は、現実世界とは違うもう一つの世界における経済活動のスタートを切るための引き金になったと言えます。
メタバースでは仮想通貨が基軸通貨!?
メタバースでのアイテムの売買には、特定の中央銀行や公的機関に拘束されないという仮想通貨の特徴は最適であるといえるでしょう。
また、仮想通貨市場はその将来性を見据えて多くの資金が流入し、投資の対象にもなっています。
しかし、これまでの歴史で通貨管理は、国や公的機関の特権であり、その影響力が現実世界での支配力につながってきました。
今後、各国の中央銀行や公的機関が、この特権を法規制が整っていない仮想通貨にあっさりと奪われてしまうことは考えにくいでしょう。
仮想通貨によるメタバースの可能性の拡大に期待を抱きつつも、現実世界の通貨管理機関がどのようなアクションを行ってくるのか、注目していきたいところです。