先日ブラジルのこんなニュースが話題になりました。

参考：市財政の1％を暗号資産に投資する計画があると、リオデジャネイロ市長がコメント(theblockcrypto.com)

たったの1%といっても、リオデジャネイロほどの大都市ですので、とても大きな金額であることは間違いありません。

それもそのはずで、ブラジルはラテンアメリカの中でも暗号資産の利用がさかんなことで世界から注目を集めています。

具体的には、1億人以上の国民が国の暗号資産決済サービスを利用しているからです。

本記事では、ブラジルの暗号資産事情と今後の動きについて観察していきます。

市財政の1％を暗号資産に｜リオデジャネイロ

上記英語記事の通り、リオデジャネイロが財政における準備資産の1%を、ビットコインに割り当てる計画だ、と現地メディアが報じています。

「Crypto Rio」という計画があり、リオデジャネイロを暗号資産（仮想通貨）の中心地にすることが目的です。

ビットコインを使うメリットの1つとして、納税をすると納税額に対して7-10％、税金を安くすることも検討されています。

1億人以上の国民が仮想通貨決済を利用！

リオデジャネイロ市長の発言の裏には、ブラジルで暗号資産取引が盛んに行われている背景があります。

参考：Why Brazil Is the Big Latin American Bet for Global Crypto Exchanges（coindesk.com）

この記事によると、ブラジルはラテンアメリカのデジタル決済をリードしていて、「地元の人々」はデジタルマネーに親しんでいます。

2020年10月、国がローンチしたリアルタイム小売決済システム「Pix」の利用者は、2021年11月時点で、（2億1400万人の国民に対して）1億400万人以上のユーザーを抱えています。

その決済取引量は、全体の70%以上に及んでいます。

ブラジル国民が暗号資産を利用する背景には、2つ理由があります。

・国内のインフレ

・通貨の下落

2021年、国のインフレ率は10.06％で、2015年以来の高水準で、1994年のブラジルレアル（BRL）導入後4番目の高さだったと言います。

また、国の通貨レアルは2020年1月の0.25ドルから2022年1月には0.18ドルへと下落しています。

多くの国民が暗号資産、特に米ドルに裏付けされたステーブルコインの利用で、通貨下落リスクをヘッジしています。

参考：Why Brazilians Are Turning to Stablecoins Like Tether（ coindesk.com ）

暗号資産情勢｜ブラジルの動きに注目！

ブラジルの税務当局であるReceita Federalによると、2021年1月から11月の間に、地元の人々は114億ドルのステーブルコインを取引しました。

それは、2020年の取引総額のほぼ3倍です。

世界の暗号資産企業はこの動きを見逃しません。

世界最大の暗号取引所Binanceは、過去3年の取り組みで、ブラジル事業を強化してきており、ブラジル事業を率いるGMを募集しています。

同じく暗号取引所Coinbaseは、ブラジルにエンジニアリングハブを設立することを発表し、そのための9つのオープンポジションを採用ページに掲載しています。

今後は、ブラジル含むラテンアメリカの動きが、ビットコイン価格に影響を与える要素に加わるかもしれませんね。注目です！