仮想通貨というワードは年々良く聞くようになっています。
実際に日本国内でも約10%の人が何らかの仮想通貨を保有していると言われています。
意外に思われるかもしれませんが、イギリスやフランスなどのヨーロッパ各国と比較しても日本の保有率は高い水準にあります。
しかしながらほとんどの人は仮想通貨のことをちゃんと理解できていません。
すでに保有している人でも、どういったものか理解している人は少ないのです。
今回は仮想通貨の実態について初心者向けに解説していきます。
仮想通貨の実態
仮想通貨誕生の理由は、第3者に介入させない取引を実現化させることです。
円やドル、ユーロなどの法定通貨は常に銀行が介入しているため、手数料を取られたり、送金に時間がかかったり、取引内容によっては時間的制約を受けることになります。
さらに言えば、勝手に国が新規で貨幣を発行すれば個人が所有する貨幣の価値は知らぬ間に下落してしまいます。
そこで、国や銀行のような第三者が介入できないように作られた通貨が仮想通貨です。
ブロックチェーン技術により全ての取引が記録され、全員に開示されているため不正は困難であり、第三者がいないため取引時間の制限もありません。
このブロックチェーン技術には複雑な計算が必要で、マイナーと呼ばれる人たちが大量の電力を使い複雑な計算を行なっています。
この作業をマイニングと言い、その結果最も早く計算式を解いたマイナーには報酬としてその仮想通貨が与えられます。
このマイニングにかかる電力は環境問題の観点から近年では規制を強める国も出てきています。
ここまで聞くと、「20年後には円やドルではなく仮想通貨に置き換わるのでは?」と考える人もいるでしょう。
筆者の答えはNOです。
貨幣の3つの価値
貨幣には満たすべき3つの評価尺度が存在します。
- 価値尺度機能→販売されている全てのものに価格がついており、それが価値の尺度となる
- 交換手段機能→支払うことで何かを得ることができる(その通貨が取引の媒介となる)
- 価値保村機能→銀行や金庫に預けることで保存が可能である
仮想通貨の場合、現状では価値保村機能しか満たせていないのです。
近年では一部の仮想通貨で直接商品を購入できる店も徐々に増加していますがまだまだ一般的ではありません。
実際、国家からしたら自国通貨の価値の保全のためにも、あまり仮想通貨流通に積極的ではありません。
またマイナーな暗号資産は資金洗浄の温床にもなりやすく、中国を筆頭に規制強化する国も少なくありません。
そこで最近では国家主体の仮想通貨が発行され始めています。
実際に日本では「JPYC」という仮想通貨が発行され、徐々に国内における支払いが可能なように整備されつつあります。
実際、銀座の百貨店で今後JPYCでの買い物が可能になるという報道も出ました。
関連記事:松屋銀座でJPYC決済が可能に! 幅広いJPYCの可能性を解説
JPYCは1円=1JPYCであり円と同じ価値を有し、マイニングやブロックチェーン技術もあります。BTCやETHでも購入可能です。
円と同価値であるという点で、電子マネーとあまり差を感じないため筆者自身は所有していません。
今後も進化した仮想通貨も
現在の仮想通貨は、あくまで投資商品としての側面の方が強くなっています。
価格変動が大きく投機的取引が盛んであり、またインフレ対策で自国通貨の一部を仮想通貨に置換するような動きも見て取れます。
まだすぐに実社会に浸透する状況ではないと考えていますが、今後さらに進化した仮想通貨が現れる可能性は非常に高く、実社会に影響を与える可能性も高いと考えています。