暗号資産に関する詐欺は依然として多く存在します。
今回は日本における詐欺と、海外で発生している詐欺の例を紹介していきます。
日本で発生している詐欺について
国民生活センターによる暗号資産の相談件数は下記の通りです。
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/crypto.html)
年々減少しているとは言え、毎年1000件を超える相談が発生しています。
典型的な事例をいつか紹介します。
- アプリで知り合った人から紹介され、暗号資産を購入し海外のサイトに送金した後、紹介者と連絡が途絶えサイトも閉鎖された。
- SNSで知り合った女性に海外の取引所でまだ上場していない暗号資産の購入を勧められ資金を振り込んだ後で連絡が途絶えた。
- 投資セミナーに参加し、未上場の暗号資産の購入を勧められ、紹介された会社に資金を投入したが、会社が破綻した。
詐欺に遭わないための注意点
詐欺は巧妙になってきており、上記の例以外にも沢山の手口が存在していますが、最低限注意すべき点を紹介します。
- 日本で暗号資産を取引できるのは金融庁から認可を取得している会社のみ。それ以外の会社であれば絶対に資金を預けない。
- 海外の取引所で購入(運用)するという話が出たら絶対に信用しない。
- 自分自身で投資が出来るようになるまでは手を出さない。
暗号資産はFXなどに比べると歴史が浅い投資なので、わからない部分が多いと思います。
少しでも怪しいと思ったら一度冷静になり、国民生活センターなどに相談することをお勧めします。
海外とのやり取りでの詐欺について
日本国内での取引に慣れてくると、日本では扱うことが出来ない暗号資産を求めて海外の取引所や、DeFiと呼ばれるサービスを使い始める方が増えてきます。
ここからは、海外の市場で見られた詐欺の例を紹介します。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺自体は暗号資産に限った話ではなく、日ごろから注意している方も多いと思いますが、これが海外となるとやはり事情が異なってきます。
一つ例をあげるとPancakeSwapと呼ばれる海外のDeFiが、今年の3月にDNS攻撃を受けて偽サイトに誘導されるフィッシング詐欺が起こりました。
最近でもまだ偽のURLが表示されることもあるので、公式サイトの上部に下記のような注意分が記載されています。
METAMASKの取り扱いに注意
PanckaeSwapの他にも、偽サイトに誘導される詐欺が横行しています。特に言語が英語というのもやはり騙されやすくなる要因にもなります。
これらで共通しているのは、METAMASKなどのウォレットのパスフレーズの入力を求めてくることです。
パスフレーズは自分のウォレットを復元させるためのものなので、入力してしまうと、ウォレットにある暗号資産を全て引き抜かれてしまいます。
日本での詐欺については被害を訴えることが出来、回収できる場合もあるかもしれませんが、海外の詐欺は日本の法律の範囲外ですので、訴えることはできず、資金回収はほぼ不可能です。
海外の取引にはこの他にも沢山のscamが仕込まれています。
またTwitterなどからDMを送ってきて詐欺に遭うなどのパターンも横行しています。
海外での投資を検討している方は、正しい情報を常に入手しながら注意深く進めていくことをお勧めします。(執筆:hiroyuki.s)