ビットコインなどの暗号資産に興味がある方であれば、「DYOR」という言葉を目にしたことがあると思います。
Do Your Own Research
なんでも人に聞かず、自分で調べたことを信頼して行動するといった意味合いになります。
基本的な用語になりますが、この言葉の「真意」について海外のある記事を例に深堀してみたいと思います。
送金ミスで約5000万円を失った話

先日、こんなニュースを見つけました。
ブロックチェーン利用者がWETHをETHにするため送金を行い、50万ドル(約5500万円)の損失を被った疑いがある。
該当のアドレスに送られた場合、ETHがWETHにラップされるが、その逆はない。
参考記事:Blockchain enthusiast allegedly losses $500k by sending WETH to contract address
「ETH」はご存知のとおりイーサです。
一方、「WETH」は、イーサ(ETH)をERC-20トークン標準に準拠させ、イーサリアム・ブロックチェーン上のアルトコインと直接取引できるようにする方法として誕生した仮想通貨です。
ETHとWETHは同等の価値を持つように設計されているため、ユーザーからすると簡単に交換出来そうな気がしますが、実際には交換方法は限定的です。
ユーザーはUniswap(UNI)のような分散型取引所(DEX)を利用してETHと交換するか、WETHスマートコントラクトの引き出し関数を呼び出し直接操作する必要があります。
今回の場合は、WETHをETHに戻そうとしたときに間違ったアドレスへWETHを送金したため、WETHがETHに交換されて戻ってくることはなく、トークンが永久に失われる操作をしてしまったことになります。
これは匿名のReddit(海外の2チャンネルのようなサイト)ユーザーの投稿によるものです。
該当の投稿はすでに削除されているそうですが、それにしても、怖いですね。
ただの送金操作ミスで5000万円が消えるという事故は実際に起こりえます。
DYORを改めて認識しよう!

日本のツイッター界隈でもDYORという言葉は日常的に目にするようになりました。
また、ブラウザを通した暗号資産の操作は、マウスでポチるだけという簡単なものです。
私もそうですが「慣れ」が転じ、ついつい危機感が薄れてしまいます。
しかし今一度、「DYOR」を意識しましょう。
具体的には私たちが投資しようとしているプロジェクトについてよくよく知ることが大切です。
・プロジェクトのホワイトペーパーを読み込む
・これまでの経緯とこれからのロードマップを知る
・Facebook, Discordなどのコミュニティに参加する
・第三者の監査による信用調査を確認する
情報収集はほとんど英語が原文になるため、根気と時間が必要ですよね。実際にはかなり大変な作業になります。
しかし、「誰かが言ってたから」とか「なんとなく良さそうだから」…という安易な行動はカモられる危険があります。
ブロックチェーンの性質上、間違った操作は取り返すことができません。
何事も基本が大切。
私たちの行動を振り返るきっかけにされば幸いです。