「仮想通貨ってハッキングされる危険があるって聞いたけど本当?」
「ハッキングとかウイルスとか、そういうのよくわからないからなんだか怖い……」
仮想通貨投資ってちょっと怖いなと思っている人、結構いますよね?
わたしも普段よく話す友人に仮想通貨の話をすると、このような反応が返ってくることがほとんどです。
データを取ったわけではありませんが身の回りの人たちの話を聞くと、仮想通貨を怖いと思う一番の理由は「値動きの激しさ」、そしてその次くらいに「ハッキング」という言葉が出てきます。
そもそもインターネット社会の現代において、あらゆる産業が常にハッキングのリスクのもとに置かれています。
では、仮想通貨投資における「ハッキングリスク」はどのくらい警戒すべきものなのでしょうか?
実はビットコインはハッキングにあったことは一度もない?
まずはテーマをビットコインに絞りましょう。
実はビットコインはこの世に生み出されてからただの一度もハッキングにあったことはありません。
(ビットコインが生まれたばかりの黎明期には、さすがに小規模なハッキングはあったかもしれません。ここではビットコインの認知度が高まって以降、「大規模な」ハッキングにはあっていないということを意味しています)
「いやいや、ちょっと待って!仮想通貨取引所からビットコインが流出したっていう事件は過去に何度も起こってるじゃん!」
こういった主張、ありますよね。そしてこの主張は正しいです。
ハッキングによって仮想通貨取引所からビットコインが流出した事件はたしかにあります。
ですが「ビットコインはハッキングにあったことはない」というのもまた事実。
これはどういうことでしょうか?
ハッキングにあったのは「仮想通貨取引所のシステム」
実は過去に取引所からビットコインが流出したのは「取引所のシステムがハッキングされた」ことが原因です。
これと混同して「ビットコインの基盤になっているブロックチェーンという技術自体が危険なんだ!ビットコイン自体に問題があるんだ!」と主張する人がいますが、これは必ずしも正しくありません。
ビットコインをはじめ、仮想通貨はブロックチェーンという仕組みの上に存在しています。
そしてビットコインのような大規模なブロックチェーンであれば、ハッキングされる危険は現実的にはゼロです。
ブロックチェーンというのは「ネットワーク上のやりとりを、そのネットワークに関わっている人みんなで管理・監視しよう」という仕組みです。
具体的にいうとブロックチェーンの管理・監視は特定のサーバーなどではなく、全世界に散らばるコンピューターによって行われています。
ブロックチェーン自体にハッキングを仕掛けようと思ったら、そのブロックチェーンに関わるコンピューターの半分以上を乗っ取る(51%攻撃と言います)ことが必要になります。
ですがビットコインのような大規模なブロックチェーンであれば、世界中に散らばって存在するコンピューターの半分以上を乗っ取ることは事実上不可能。
つまりビットコインのブロックチェーン自体の安全性は盤石です。
それでもビットコイン流出という事件が起こるのはブロックチェーンがハッキングにあったのではなく、仮想通貨取引所のシステムがハッキング被害を受けたからです。
どこにリスクがあるのか正しく理解して投資をしよう
ブロックチェーンは安全だということを語ってきましたが、これはあくまでビットコインのような超大規模なブロックチェーンであれば、という話。
出来たばかりの小規模なチェーンであれば、半数以上のコンピューターが乗っ取られてブロックチェーン自体がハッキングにあうこともあるかもしれません。
まとめると、仮想通貨投資のハッキングリスクは以下のようになります。
・ハッキングによる仮想通貨の流出事件は事実としてある
・しかしそれは仮想通貨やブロックチェーン自体に問題があるわけではない
※ただし、小規模なチェーンであればそれ自体に危険がある場合もある
・ハッキング被害にあっているのは仮想通貨取引所のシステム
大きな視点から見れば仮想通貨投資には間違いなくハッキングリスクがあります。
そしてハッキングにあった瞬間、自分の資産は盗まれてしまいます。
ですが、本当の問題点を正しく理解していない人が多いのもまた事実。
「また流出事件が起こった!」というニュースだけを鵜呑みにして、仮想通貨そのものを危険だと判断するのはちょっと気が早い考えです。
仮想通貨投資をする際は、「今回の事件ではどこに原因があったのか?ハッキング被害にあったのは取引所なのか、それともブロックチェーン自体なのか?」という風に、問題の原因がどこにあるのかを常に考えるクセをつけてもらえればと思います。